member
プリントシール機『EVERFILM』開発チーム
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企画
アイちゃん
2022年新卒入社
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写り
かなてゃ
2021年新卒入社
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デザイナー
どんちゃん
2019年中途入社
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ハードウェア開発
れんれん
2022年新卒入社
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ソフトウェア開発
かっちゃん
2021年新卒入社
chapter01
新機種開発スタート!
開発した『EVERFILM(エバーフィルム)』について教えてください。
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アイちゃん
企画
『EVERFILM』では、写りや落書きなどプリならではの楽しみはもちろん、「プロジェクターフォト」を体験することができます。「プロジェクターフォト」は、撮影背景にプロジェクターで画像を投影しながら撮影を楽しめる新機能です。
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どんちゃん
デザイナー
プロジェクターで投影できる背景デザイン「プロジェクター背景」は150種類以上あり、記念日からイベント、日常のちょっとした出来事まで、その日に合ったシーンを選んで思い出を作れる体験も特徴ですね。
ここでは開発チームのメンバーのなかから、5名に集まっていただきました。それぞれの役割を教えてください。
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アイちゃん
企画
企画を担当しています。コンセプトや機能など、機種にまつわる全ての要素を検討しながら全体のプロデュースを行いました。また、プリの開発ではユーザーインタビューを頻繁に実施し、そこから得た課題の抽出、ブラッシュアップの提案などを行っています。
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どんちゃん
デザイナー
私はゲーム画面やプロジェクターで投影する映像などのコンテンツデザインを担当しました。
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かなてゃ
写り
写りを担当しています。プリを撮影したときに、肌を明るくしたり、目を大きくしたりと「盛れ感」を出すための手段を機種のコンセプトと照らし合わせながら考え、その機種ならではの写りを実現するお仕事です。カメラやストロボの位置をどこにするか、撮影した画像にどのような画像処理を施すか……などですね。
また、『EVERFILM』では「プロジェクターフォト」撮影時専用の写りも作っています。 -
かっちゃん
ソフト開発
ソフトウェアのエンジニアとして、プリのゲーム進行に関する制御や画面構築をメインで行いました。加えて『EVERFILM』へのプロジェクター導入にあたっては制御モジュール作成/コンテンツ管理システム構築なども担当しています。
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れんれん
ハード開発
ハードウェアのエンジニアとして、製品のエレキ設計を担当しました。プリに搭載する部材の仕様や接続の検討・評価などが主な仕事です。
プリにプロジェクターを取り付ける、というアイデアはどのようなところから生まれたのでしょうか?
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れんれん
ハード開発
実は「プロジェクターの映像をプリの撮影に使用する」という研究は私の入社前から始まっていました。ユーザーに光を照射しても問題ないかという安全性の立証が課題となっていましたが、『EVERFILM』がプロジェクトとして立ち上がる前に解決し、技術面ではいつでもプロジェクターをプリに搭載できる状態でした。
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アイちゃん
企画
そのプロジェクターと『EVERFILM』のコンセプトに親和性を感じ、採用したという経緯です。
『EVERFILM』には「イベントから何気ない日常まで、365日どんな想い出も残す」というコンセプトがありました。クリスマスやハロウィンなどの季節イベントだけでなく、どんな出来事も“青春のイベント”としてプリでかわいく楽しく残してほしい。
対して、プロジェクターには「なんでもその場にリアル投影で映し出せる」という機能があり、そこが「どんな想い出も映し出せる」という価値につながると考えました。今日集まっているメンバーのなかでは、最初は写り担当のかなてゃさん、ハードのれんれんさん、企画の私がチームにいて、相談をスタートしましたよね。
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かなてゃ
写り
そうだね。『EVERFILM』が目指す「盛れ感」やコンセプトとプロジェクターの相性を考えながらスタートし、4ヶ月目でデザイナーのどんちゃんさんとソフトのかっちゃんさんが参加してメンバーが固まりました。
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かっちゃん
ソフト開発
プリの撮影を盛り上げるコンテンツとしてプロジェクターを使うというのは私にとっては初めての試みでした。開発は困難の連続でしたね。
chapter02
メンバー全員でゼロから考えた新機能
『EVERFILM』を作るためにチャレンジしたことは何でしょうか。
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アイちゃん
企画
写りの面ではどうでしたか?
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かなてゃ
写り
たくさんあるよ(笑)。「プロジェクター背景が投影された顔を盛る」のは初めてで、写りの調整はとても難しかったですね。
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どんちゃん
デザイナー
基本的にプリの写りは顔を白くする方向で設計しますよね?
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かなてゃ
写り
そうですね。でも通常のプリと『EVERFILM』のプロジェクターフォトは写りの考え方がそもそも違いました。シーンごとにプロジェクターの光の色が変わるなかで、色合いによっていくつも写りの分岐を作りながら「どう盛るのが正解なのか」を模索する日々でしたね。
また、今回のコンセプトに合わせて、画像処理で顔をかわいくしていくのはもちろん、見返したときに、そのときの空気感まで思い出せるようにもしたいと思いました。そこで、通常のプリよりあえて弱めの盛れ感に調整して、よりリアルな表情を残すようにしていきました。
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かなてゃ
写り
また、プロジェクターと通常プリでは、影の出方も違います。プロジェクターフォト撮影時はプロジェクターのほかに下からもライトを照らすことで、顔の影の出方を抑えて綺麗に見えるよう、ハードウェア設計も含めて考えました。そこはれんれんさんの協力が不可欠だったね。
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れんれん
ハード開発
たくさん話しましたよね。しかもプロジェクターは使用しているうちに微妙に光量が変わるなどの変化が起きて、それも盛れ感に影響を与えます。撮影タイミングによる盛れ感のブレを防ぐために光量の変化による影響を受けにくくする仕様を追加して対応しました。ソフトの面でも安定的な稼働が課題にあがりましたよね。
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かっちゃん
ソフト開発
たしかにね。どんな環境でも安定してプロジェクターで盛れることを保証する機能をたくさん入れたなあ。イレギュラーな場面でもユーザーの不利益に繋がらないようなエラーシーケンスなど「楽しむ」を下支えする工夫を詰め込みました。その他にもウリ機能である、イベントから何気ない日常まで、365日どんな想い出も残す「撮影テーマ選択」を実現するための「プロジェクター制御」と「ユーザー選択内容とのコンテンツ連動」が大変だったな。ゲームにプロジェクターを連動させるための制御モジュールの作成と、コンテンツ管理システムの構築は、ソフトウェアエンジニアとして成長させられたと思います。
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どんちゃん
デザイナー
「プロジェクターフォト」撮影時に映し出す「プロジェクター背景」を約150種類も作ったからね。
なぜそんなにも多くのプロジェクター背景が
必要だったのでしょうか?
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アイちゃん
企画
ただプロジェクターでかわいい画像を映して撮影するなら、プリでなくても実現できます。だからこそ『EVERFILM』では、多くのユーザーに対して今日の自分達にぴったりな思い出が必ず見つかるように、たくさんのテーマを用意しました。季節イベントから何気ない日常まで、その日に合わせて違うテーマが選べて、思い出やシチュエーションにぴったりの体験を毎回楽しんでもらえるようにしたいという企画意図がありました。
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どんちゃん
デザイナー
デザインの面では、どんなプロジェクター背景を映したらかわいいのか? というところから模索していきました。記念日や卒業、クリスマスなどのイベントはもちろん、日常の出来事も女子高生にとってはひとつひとつがかけがえのない経験です。プリユーザーへのインタビューを繰り返して「課題に追われているときの背景をつくろう」「友達とごはんを食べたあとに撮るなら?」とアイデアを出し合ってプロジェクター背景を増やしました。
chapter03
365日を「想い出の日」に
プリを開発するうえで、プリユーザーの声をどのように開発に活かしていきましたか。
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アイちゃん
企画
プリの開発はユーザーインタビューとともに進んでいくといえます。実際に市場のプリで遊ぶ女子高生を中心に開発現場に集まってもらい、開発中のプリを実際に体験してもらいながら感想を集めます。特に、プリでは複数人で参加していただくグループインタビューの形式を取ることが多いですね。複数人の会話から聴こえてくるような、リアルな声が大切なので。その声をもとに機種の課題を抽出したり、ブラッシュアップしたりしていきました。
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かなてゃ
写り
2023年の7月にプロジェクトをスタートした頃からユーザーインタビューを隔週で実施し、デザインが固まってくる発売半年ほど前からは毎週行ってきました。
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れんれん
ハード開発
最初の頃のユーザーインタビューは「バラック」と呼ばれる、張りぼてのようなプリの試作機で行いました。撮影ブース内のLEDなどは手で押すボタンでON/OFFしていましたね。ユーザーの反応に接すると、発見の連続です。目玉機能のプロジェクターフォトに思ったより盛り上がっていないようだったので、観察していたら投影そのものに気づかないユーザーがいることがわかったりもしました。
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アイちゃん
企画
そこでプレイ中に後ろを振り返らせ、プロジェクター照射の瞬間を見せる演出をつけたんですよね。普段のプリにはあまりないような動きを与えることで、体験価値を高められたと思います。プロジェクター照射の瞬間を音楽とプロジェクター背景で演出する場面を設けると、「えっ何なに!?」「きゃーすごい!」と演出をとても楽しんでくれていて。
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どんちゃん
デザイナー
「花粉症しんどい」のプロジェクター背景も、ユーザーインタビューの中で「これは喜ばれる!」と確信を得て、搭載を決めたコンテンツでしたよね(笑)。
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かっちゃん
ソフト開発
機能やコンテンツが充実していくごとに、ユーザーのテンションも上がっていきましたよね。ソフト担当者としては、その機種の主幹となる機能をできるだけ多くのユーザーインタビューで見てもらえるよう、スケジュールを前倒しして実装したことを覚えています。『EVERFILM』のリリース前にも、メンバー全員が直前までブラッシュアップを繰り返していました。
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れんれん
ハード開発
ハードの面では、リリース直前まで「プロジェクター背景の投影位置のズレ」の補正が課題にあがっていました。今回は人に投影して撮影するため、プリのカメラの撮影範囲内いっぱいにプロジェクターの投影画像がくることが大前提です。しかし全国に設置されるプリは数百台あります。つまり、プロジェクターも数百台取り扱うにあたって、それぞれにどうしても個体差があるため投影位置にズレが出てしまう。なのでメーカーさまにもご協力いただきながら検証し、プリの生産工程内にプロジェクターの投影位置調整を実施する工程を追加しました。
『EVERFILM』が発売となってから、
ユーザーの反応はどうでしたか。
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アイちゃん
企画
はじめてSNSで「『EVERFILM』を撮った」という反応が出たときは、社内のチャットで盛り上がりましたよね! 店舗でとったアンケートをみんなで見ることも達成感がありました。
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どんちゃん
デザイナー
たしかに。私はネタ枠だった「牛」のプロジェクター背景が人気だったことが印象的でした(笑)。
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かなてゃ
写り
私は「盛れた!」よりも「楽しかった!」「すごかった!」という声が多かったのが印象的でした。もちろん写り担当者としては「盛れた!」の声が多いほど嬉しいのですが、『EVERFILM』はプリを撮る楽しさが再確認できる機種なのかなと思います。
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アイちゃん
企画
「楽しかったからまた撮りたい!」といった声がたくさん集まりましたね。私たち開発チームが当初から目指してきた、プリの新たな価値をユーザーに届けることができたのではないかと思っています。
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かっちゃん
ソフト開発
たしかに。今回のプロジェクター搭載のような新しい取り組みは、各担当者の新しいスキル習得やメンバーの連携強化にも繋がるよね。そこからユーザーへの新たな価値も生まれると思うし、またチャレンジしてみたいな。
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れんれん
ハード開発
私もそう思います! ハード面で言うと、実は『EVERFILM』にはプロジェクターの他にも新しい部材をたくさん搭載しています。そのための評価方法や仕様の検討はかなり大変でしたが「チームで取り組めばゼロから見たことのないものが作れるんだ」と思えました。
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かっちゃん
ソフト開発
そうだね。『EVERFILM』のプロジェクターのようなユーザーを驚かせる新機能や、「盛る」こと以外でもっとユーザー満足度が向上するような仕組みなど、まだまだチャレンジできることはあるはず。このプロジェクトを乗り越えた経験が、きっと新たな開発にもつながると思います。