自分、
開発者として大丈夫ですか?
「開発者として自分はこのままでいいのか不安です」。入社一年目、私は上司にそんな相談をしていました。
私が所属するプリントシール機事業部のハードウエア開発課は、プリントシール機の筐体に組み込むカメラやプリンターなどのレイアウトを検討し、構造設計を行うメカ担当と、筐体内部の配線や搭載する電気部品の検討をするエレキ担当に分かれており、私はメカ担当の開発職として仕事をしています。
入社後、私がはじめて割り振られた仕事が、印刷されたシール紙にゴミが付着していないかを確認する印画品質の評価でした。どのような状況ならばシール紙にゴミが付着するのか?印刷された数百枚ものシール紙を一枚一枚確認する地道な作業です。
上司に相談したのは、その作業をはじめたばかりのころでした。すると上司は「開発として品質評価は大切な仕事だよ。もしあなたがこの機種でプレイしたとき、印刷されたシールが汚れていたらどう思う?」と話してくださいました。そのとき、私には自分の目の前の仕事しか見えていませんでした。つくるだけが、開発ではないのです。ユーザーに満足していただくには、幅広い視点から商品を見つめ、完成度を高めることが必要です。仕事を通して、開発者としての視野を広げることが自身の成長につながるのだと、はじめて気づいたのでした。