かわいい、
の最大公約数を探せ。
私は所属するプリントシール機事業部で、開発職として「写り」に関する開発の全てを担当しています。「写り開発」では、プリ画の画像処理はもちろん、ストロボなどの照明を含む撮影環境の設計なども行っています。
この仕事では、画像調整の技術力はもちろんですが、周囲とのコミュニケーション力も必要になります。たとえば、以前、私は「ぷるん肌」という写りコンセプトを実現するために、写り調整を行ったことがあります。そのとき画像処理に求められていたのは「ぷるん」とした潤いのある肌質の表現でした。
しかし、肌質加工のどこからどこまでを「潤い」と感じ、どこから先を「テカり」と感じるのかは人それぞれ。理想の「ぷるん」に仕上げるため、私は企画チームとのコミュニケーションを重ねて検討していきました。
また、写りには撮る人の肌質も関わってきます。誰の肌で撮っても美しいと感じられるよう、さまざまな人に体験してもらい、グループインタビューでユーザーのリアルな声を収集しました。「かわいい」の最大公約数を探すのです。開発者にとって、ユーザーの声は財産です。ユーザーの感性をしっかりと掴んでいくことが、写りの設計では必要不可欠です。